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王手桂香取り!(青葉優一)

将棋で女の子を振り向かせよう

 名人の娘で将棋部部長の先輩である大橋桂香に憧れて将棋に打ち込む中学一年生の上条歩は、頑張っているのにアマ初段から上に中々上がれない。いつも行く将棋道場では、プロ棋士の息子の小学三年生である相良純一にバカにされる日々を送っている。
 
 そんなある日、誰もいないはずの上条歩の近くから女の子の声が聞こえてくる。顔を上げると、そこには三人の美少女がいた。
 自分たちは歩が祖父から譲り受けた将棋駒であると言い、歩、香車、桂馬を名乗る。彼女たちはふがいない歩の棋力を上げるべく、はじめて実体化したのだった。

 将棋の神に匹敵するという棋力を以て鍛え上げられる歩はみるみる棋力を上げ、1カ月足らずでアマ四段に匹敵する程度の実力を得るようになる。そんな彼の前に現れたのは、憧れの大橋桂香が一も度勝ったことのない幼なじみの二階堂有也だった。歩は桂香に男として見てもらうため、有也を大会で下そうとする。

 将棋を題材にした部分は意欲的だが、あまりにも簡単に上がっていく棋力に現実感を感じられない。それゆえに、強敵を下したという爽快感も薄れがちだ。また、桂香との関係性もあまりにも簡単に変化してしまい、生身っぽい少女さが感じられない。それゆえに、将棋に真摯に打ち込む桂香の悩みも切迫感を以て感じられない。つまり一言で言うと全てが薄っぺらい。
 ただのラブコメを描きたいだけならば、将棋を題材に取る必要はないだろう。将棋を題材に取ったからには、将棋に打ち込む少年少女としての姿も深く描くべきと感じる。また、将棋に詳しくない立場から見ると良く分からない用語がたくさんで困る気もする。第20回電撃小説大賞銀賞受賞作品。




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