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2052 ~今後40年のグローバル予測(ヨルゲン・ランダース)

2052 ~今後40年のグローバル予測2052 ~今後40年のグローバル予測
(2013/01/09)
ヨルゲン・ランダース

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正しい道を選べない

 ローマ・クラブ「成長の限界」を下敷きとして、最も実現可能性が高いと著者が思うシナリオ一本に絞り、今後40年間において、世界がどういう方向に進むかを予測している。この際、世界を「米国」「中国」「米国を除くOECD諸国」「BRISE」「その他」に分類して検討しているのだ。
 本書の結論をおおざっぱに言えば、世界は持続不可能な方向へと進むが、人類はそれを自覚しても事前に持続可能な方向へと舵を切ることはできない、ということだ。本書の結論は巻末のまとめを読めばおおよそ分かるのだが、いくつか指摘しておく。

 まず人口は、2040年に81億人のピークを迎える。都市化が進むために出生率が鈍るためで、この結果、経済成長率も伸びず、GDPは2050年に2.2倍程度にしかならない。このうち、地球環境に対する予防的もしくは対症療法的投資が増加していくため、消費も伸びない。このため、エコロジカル・フットプリントは、意外にも早くピークを迎える。
 このように、消費と環境のバランスは持続可能な領域に、結果として収まっていくのだが、そこに至るまでに、環境破壊のレベルは自己増殖的な段階に達する可能性が高い。自己増殖的というのは、温暖化により永久凍土が解け、メタンガスなどが解放されることで、温室効果がさらに進むことを指している。

 このような問題を解決するための方策は既に確立しており、人類が決断をしさえすれば、前述のような状況には陥らない。しかし、民主主義と市場経済は短期利益志向で、意思決定までに時間がかかり、長期的政策は国民の支持を得ることはない。結果として、予防的な対策を取ることは出来ず、問題が発生した時の対応となり、既に手遅れになっている。
 このため、今後の世界のリーダーシップを握るのは、専制的な政治判断が可能な政体を持つ国家、例えば中国となる。逆に、現在、先進国となっている民主国家は、意思決定に時間をかけているうちに衰退する。

 このような状況の中で個人はどうすべきか。限られた環境の中でいかに満足度を高める様に心構えをして行くかが重要だ。




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