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お願いだから、あと五分!(境京亮)


お願いだから、あと五分! (MF文庫J)お願いだから、あと五分! (MF文庫J)
(2012/12/21)
境京亮

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切実な願い

 子供の頃から母親のいたずらに悩まされてきた内藤優一は、どんなことがあっても一切表情が変わらなくなってしまった。ついたあだ名は死者の顔(デスマスク)だ。そんな優一は、ある日、木枕コトハという少女に出会い、どんなことがあっても自分を信じて欲しいとお願いされてしまう。
 家族は出かけて誰も居ないはずの家に戻ると、自室のベッドの下を探っていたのは先ほどとは髪の色が異なる木枕コトハだった。彼女から一枚の契約書を手渡され、羽島グループ特務機関幽霊課と契約することになった内藤優一は、お色気お姉さんの時枝章子の指示の下、木枕コトハの枕になることになってしまったのだ。

 眠ると魂が入れ替わり予知能力を発揮するというコトハの指示で、暴漢に襲われる一人の老人を助けた優一は、それが羽島グループの業務の一環として行われていることを知る。
 輪廻転生のソウルメイトだからという理由で、いつも優一と一緒に居ようとするコトハは、優一の学校に転入し、委員長の小日向蓮子と仲良くなる。しかしそれが、大人たちに翻弄される子供の悲哀を感じるはじまりとなるのだった。

 第8回MF文庫Jライトノベル新人賞佳作受賞作。設定の一つ一つは特に目新しくは無いのだが、それを組上げると独特のラブコメ異能バトルとなった。軽く笑い流してしまいそうなタイトルだが、そこに込められているのは切実な願いだ。
 主人公たちのしている行為は正義とはかけ離れた経済活動の一環なのだが、当人たちがそれをどこまで意識しているかは危うい。ビジネスライクに割り切れるのか、あるいは自らの良心との板挟みになる時が来るのか、少し興味深い。




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