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マグダラで眠れ II(支倉凍砂)

マグダラで眠れII (電撃文庫)マグダラで眠れII (電撃文庫)
(2012/10/10)
支倉凍砂

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目的を見失わないこと

 利子という意味の名を持つ錬金術師クースラは、同門の錬金術師ウェランドと共に、前任の錬金術師トーマス・ブランケットが殺害された事件にまつわる謎を解き明かし、グルベッティに理想の工房を得られたはずだった。しかし、アラン・ポーストの後任のエル・オトリスは、事件解決の報酬の一部を反故にし、悪びれない。
 それもそのはず、ウェランドが仕入れてきた情報によれば、前線は進行し、次の鉄火場はカザンに建てられることが決まったというのだ。つまり、グルベッティはもはや前線の街ではなくなり、二人の工房はろくに予算も回ってこない、ただの飼い殺しの場所になる。

 引き取ったウル・フェネシスをからかいつつも冶金を教えながら、いかにしてカザン第一次入植者になるべきかの方策を練るクースラたちの前に、鍛冶屋組合の組合長イリーナ・ブルナーがある特殊な金属の精錬方法を知っているというタレこみが入るのだった。

 クースラがフェネシスにイタズラする場面と、自分たちの夢をかなえるためになりふり構わず奔走する場面と、大きく二つに分かれて物語は進行する。今回その中核にいるのは、イリーナ・ブルナーという若き未亡人だ。彼女にいかにして秘密を吐き出させるか。緩急織り交ぜつつ追い詰めていくシーンは、緊迫感にあふれている。




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