ふらりとゆけ! ホーム » 熱血青春 » 四月は君の嘘 (4)(新川直司)

四月は君の嘘 (4)(新川直司)

四月は君の嘘(4) (講談社コミックス月刊マガジン)四月は君の嘘(4) (講談社コミックス月刊マガジン)
(2012/09/14)
新川 直司

商品詳細を見る


繰り返しながら盛り上がっていく

 情熱的な演奏をする中学生ヴァイオリニストの宮園かをりに出会った、かつての天才ピアニストである中学生の有馬公生は、毎報新聞社主催の毎報音楽コンクールに出場することになった。幼馴染の澤部椿や渡亮太が見守る中、小学生時代の有馬公生をライバル視していた相座武士の演奏が会場を熱狂させる。
 そして次に登場するのは、有馬公生の演奏を聴いてピアノを志したという井川絵見だ。相座武士と同様の逸材を見られながらも、気分屋のせいで彼に水をあけられてきた彼女は、二年ぶりに感情を込めた演奏を開始する。それは、彼女のピアノを有馬公生が聴くという高ぶりからだった。

 現在の井川絵見の演奏が色づき盛り上がってくる度に、それを裏付ける彼女の感情、幼少期の有馬公生のピアノとの出会いや彼女のピアノにかける想いを、繰り返し繰り返し織りなしていく構成となっている。この構成を、本物の有馬公生の演奏という一つの主題を用いつつ、それに井川絵見の想いという変奏を加えながら解き明かしていくと解釈すれば、とても音楽的であるように感じる。確かに展開はとても遅くなるのだが、これは物語に深みを与えるという意味で、有意義な遅れだ。
 そしてようやく、有馬公生自身の演奏が始まる。それは二年前の演奏の再現から始まり、彼を絶望の底に落とし込んだ瞬間までを繰り返させる。その果てに、新たな、かつて彼自身が持っていた演奏を見つけ出すことが出来るのか。その瞬間が次巻で描かれることを願いつつ、そうしたらこの物語も終わっちゃうんじゃないかなあとも思う。




新川直司作品の書評
関連記事






にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
人気ブログランキングへ


コメント
非公開コメント

トラックバック

http://bcft60.blog13.fc2.com/tb.php/3975-ff86e910