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雪の翼のフリージア(松山剛)

雪の翼のフリージア (電撃文庫)雪の翼のフリージア (電撃文庫)
(2012/09/07)
松山剛

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絶望から這い上がる執念

 二年前の天覧飛翔会で翼を失った元貴族のフリージア・ギガンジュームは、再び天覧飛翔会に参加するため、現代の名工と称される義翼職人のガレット・マーカスを訪ねていた。意外に若いその人物は、彼女が天覧飛翔会に参加するための義翼が欲しいというと、にべもなく断ってしまう。
 だが諦めることなどハナから選択肢にないフリージアは、熱意と根性でガレットを承諾させ、不足の代金分は隣接する定食屋で働いて返すことにして、義翼を作ってもらえることとなった。

 フリージアの憧れの飛翔士であるオスカー・ウィングバレットから義翼での飛行を習ったという少年クローバー・テクトラムのアドバイスを受けながら、フリージアは急速に飛行技術を取り戻していく。 ところが皇帝マリア・ウィンダールの勅命で、一度は許された天覧飛翔会への参加が取り消されてしまった。
 かつてのライバルであるグロリア・ゴールドマリーからの侮辱を取り消させるためにも、死を覚悟した直訴を行うために帝城へ向かったフリージアだが、それはあっけなく失敗してしまう。しかし…。

 家が没落してから一人で歯を食いしばって、再び幸せを取り戻そうと努力して、だがそれは一度は夢破れてしまい、もう一度挑戦するための翼を手に入れようとする。そしてその執念が、彼女に求めていたのとは少し違う形で幸せをもたらす。
 筋立てに難しいところはなく、お約束のキャッキャウフフ要素も満載ではあるのだが、せっかく飛べる人を主役に据えたのなら、陰謀まみれの大会ではなく、純粋に飛ぶことを競うところも見てみたかった気はする。一度翼を失った人が再び飛べれば、一度も飛んだことのない人よりも感慨は深かろう。




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