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大日本サムライガール (2)(至道流星)

大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)大日本サムライガール 2 (星海社FICTIONS)
(2012/08/17)
至道 流星

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ただひたすらに一直線の少女たち

 日本最大の広告代理店である蒼通を辞めた織葉颯斗は、防衛省前で演説をしていた、日本にただ一人の真正の右翼を名乗る女子高生の神楽日毬の政治活動を助けるため、彼女をアイドルとして売り出すことに人生を賭けてみることにした。右翼的なアイドルとして爆発的に知名度を挙げていく様を見て食指を動かされた業界最大手のアステッドプロの仙石社長と狩谷専務から引き抜きを受けたものの、日毬の政治活動が阻害されそうだったため断ったところ、メディア全体から強烈なバッシングを受けることとなった。
 最終的に織葉颯斗の人格攻撃に至ったことに怒り心頭に発した神楽日毬は、白装束に木刀と拡声器の拡さんを携え、アステッドプロにメディアを引き連れて殴り込みをかけた。そして、仙石社長の目前の机を木刀で真っ二つに叩き割り、仙石社長を気絶に追い込むと、やってきた警察に従容と逮捕されたのだった。

 生放送で非行事実を全国放送してしまい、成年なら即釈放の罪状にも拘わらず、未成年ゆえに複雑な手続きを経て、ようやく釈放されることができた。そのとき既に、彼女は多くの若者たちの心をつかみ、そして海外にまでそのニュースは知られることになっていた。
 かくして、ひまりプロダクションの経営は安定軌道に乗った。それを見た健城由佳里は、新たなアイドルの募集を提案する。日毬の姉の神楽凪沙も非常勤として雇い開催したオーディションで、彼女たちの全員が採用に同意した女子高生の朝霧千歳は、アイドルになる目的をお金と断言し、採用されないならば身売りするとまで言い切ったのだ。

 アイドルとしての報酬も完全歩合を要求するものの、当初の収入を確保するためバイト事務員として採用することにした颯斗は、彼女のやる気と努力に反する事務能力の低さに悩まされながらも、人気アイドルの片桐杏奈にも気に入られた日毬のバーターとして千歳の売り出しを始める。
 とにかくお金にこだわり、どんな汚れ仕事でも食いついていく千歳を強くたしなめながら、日毬と颯斗は、彼女がお金にこだわる理由を解決する必要があるとの見解に達していく。

 前巻の騒動を望みうる限り最高におさめ、トップアイドルとして、日本国総理大臣への道を歩み出した日毬と、お金のためには自分すら捨てる覚悟を持った千歳という、どこか飛び抜けた女子高生をアイドルとして抱えることになった颯斗は、彼女たちのペルソナの影にある普通の女の子としての姿に時々ドキッとさせられつつ、ビジネスとして、しかし人情を失わず、ビジネスを大きくして行こうとする。
 言動や生き方が極端で、しかし初々しく男心をくすぐるキャラクターを何パターンか登場させつつ、ビジネスの裏側にもちょっとだけ触れつつ、熱狂していく社会を描きつつ、ただひたすらに邁進する少女たちを描いている。




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