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戦車のような彼女たち Like Toy Soldiers(上遠野浩平)

戦車のような彼女たち Like Toy Soldiers戦車のような彼女たち Like Toy Soldiers
(2012/07/26)
上遠野 浩平

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軛から逃れる道もある

 「リミット」雨宮美津子が失踪し、中枢との連絡も滞るようになった統和機構内部で、「リセット」雨宮世津子やマキシム・ゴーリキーなどの実力者による政変が進行していた。しかしその間も、変化が決定づけられるまでは、合成人間たちの任務に変更はない。その目的を知ることもなく、ただ言われるままに任務をこなすだけだ。
 MPLS「アウトランドス・ダムール」古猟邦夫の監視を命じられた合成人間の久嵐舞惟は、ポルシェ式ヤークト・ティーガーに例えられる戦闘型合成人間の琥依を連れて現場に向かう。しかし、古猟邦夫と琥依が互いに一目惚れをしてしまった結果、彼らを結婚させ、義妹として監視任務を継続することになってしまった。そこに、旧知の合成人間カチューシャが現れる。

 ファウストやメフィストに掲載された、「アウトランドス・ダムール」に関連する連作短編集。その上司であったリセットとリミットのエピソードを最初と最後に持ってくることで、今後の展開を予感させる構成となっている。
 兵器開発は試行錯誤の連続で、とりあえず使ってみて生き残った兵器が優秀と評価されることとなるだろう。その過程で潰れたり埋もれたりしていった兵器は、よほど強烈な個性を持たない限り、誰かの記憶にすら残ることはない。だが強烈すぎる個性は、例え失敗作だとしても、誰かにとっては意味のあるモノとなるのかも知れない。




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