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サムライブラッド~天守無双~(松時ノ介)

サムライブラッド~天守無双~ (HJ文庫 ま 1-1-1)サムライブラッド~天守無双~ (HJ文庫 ま 1-1-1)
(2012/07/30)
松時ノ介

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異人少女の婿取り

 織田信長が天守幕府を開いて三百年。皇神を王とし織田家が政軍を担う体制は、幕府に仕える「資」と、手に職を持つ「任」、それら資格のない「民」、そして身体欠損を持つ「待人」という身分制度により維持されていた。
 政軍家指南役である浅井道場は、その祖に浅井長政を持ち、政の一線からは退きながらも、幕府を支える人材を輩出する道場として、細々と生きながらえていた。しかし、その当主である浅井元ノ介が急死し、一人娘である浅井花鳥は、女子の最上級である三級武資ではあるものの、道場を継ぐ二級武資には及ばず、跡継ぎになることは出来ない。

 そこで、二級以上の武資を婿にとり、浅井道場を継いでもらおうとするのだが、肝心の婿が見つからない。何故なら彼女は、当時には珍しい異人の母を持つ女性であり、銀髪の美少女だったのだ。ゆえに、現代的な感覚とは異なり、通常の男は彼女を娶ることに尻込みしてしまう。
 だが、次期政軍候補である織田信雪には、織田家として浅井家を絶えさせられない理由があった。ゆえに、妻とした花鳥の親友の前田利理や羽柴小鈴を使わし、彼女の婿捜しに協力することになる。

 それでも花鳥の婿となる男は見つからない。そんなとき、待人の一座で芸を披露する盲目の美少年、竜の技を目にしてしまう。彼は何の基礎も無く、武資の氣による攻撃をいなし、有り余るほどの陰陽術の才能の片鱗を見せつけていたのだ。
 最後の大博打として、竜を一ヶ月半で鍛え上げ、一級武資の山辺旺正、田柿一郎、柴田憲和との対戦による資格試験に挑み、彼を一級武資に仕立て上げ、婿として迎え入れることを試みる。

 織田信長が幕府を開くIFの歴史物かと思わせつつ、陰陽術に基づく資格制度を基礎として、織田幕府の命運と、浅井道場の存亡、そしてハーフ少女の婿取りの行方を描く作品。ビジュアル的には美少年と美少女なのだが、少年が盲目だったり、少女が異人として忌避されていたり、障害が多いところが挑戦的とも言える。
 まだまだ伸びしろがありそうな設定なので、今後の展開に期待したい。第6回HJ文庫大賞金賞受賞作品だ。




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