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さよなら妖精(米澤穂信)

さよなら妖精 (創元推理文庫)さよなら妖精 (創元推理文庫)
(2006/06/10)
米澤 穂信

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突きつけられる現実

 高校三年生だった守屋路行と大刀洗万智は、雨宿りをしていた来た少女マーヤと出会う。ユーゴスラヴィアから来た彼女、マリヤ・ヨヴァノヴィチを旅館を経営する白河いずるに紹介し、下宿先を確保したことで、彼女が帰国するまでの二ヶ月間、文原竹彦を含めた4人の高校生との交流が始まった。
 マーヤは日本の当たり前に興味を持った。それも、お客さんに見せる一面ではなく、住んでいる者だからこそ知ることが出来る深い一面を知りたがった。そんな彼女の問いに答えるべく、守屋路行は頭を働かせる。

 マーヤが故郷へ帰ってから一年、守屋路行と白河いずるは喫茶店で再開していた。互いにマーヤに関する記憶の残滓を持ち寄り、彼女がどこへ帰ったのかを明らかにするためだ。一年前から、ユーゴスラヴィアは内戦に突入していた…。

 日本の日常の風景の中に異邦人が見つける謎と、その異邦人が残した謎に挑むことで日本とは異なる日常を思い知らされる高校生の姿を描いている。マーヤの生きる日常には、守屋が想像する日常があるとは限らないと言うことを彼に現実として突きつける、当たり前の残酷さもある。
 この終わり方が物語として最適かどうかは分からないが、現実とは時に唐突に思いもよらぬ解をもたらすということを、これ以上もなく明確に示しているとは言えるだろう。




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