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ひきこもりの彼女は神なのです。 (6)(すえばしけん)

ひきこもりの彼女は神なのです。 6 (HJ文庫)ひきこもりの彼女は神なのです。 6 (HJ文庫)
(2012/06/29)
すえばし けん

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理想と現実の隙間

 妹の名塚奏を実家に送り届けるために、名塚天人は実尋市を一時離れた。ひきこもりの氷室亜夜花も一緒だ。そのたびの途中、からまれていた少女の果乃に出会う。
 一度は見失ってしまったものの、今度は怪我をした状態の果乃を発見した天人は、彼女が人ならざるものであることを知り、浦坂という同族に追われていることを聞いて、実尋市で天秤の会に保護してもらうことを提案する。しかし彼女は、人と人ならざるものの共存というお題目を掲げる理想家を嫌悪しており、頑なにそれを拒むのだった。

 一方、天人のいないニュートラルハウスの台所を預る羽村梨玖は、ニュートラルハウスを訪ねて来た氷室結と出会う。寮長の御子神てとらと話し合いに北という彼は、戦神の柚原千那や柚原万那から敵意を向けられる存在だった。
 その会談も不調に終わり、見送りに出た羽村梨玖に、氷室結は囁く。名塚天人から氷室亜夜花を引き離すために手を組もう、と。

 実尋市の外の世界に目を向けることで、天秤の会の思想とは全く異なる生き方をしている人ならざるものがいることを、改めて名塚天人は実感する。そしてその経験は、ニュートラルハウスを取り巻く環境に対する考察に反映されるのだ。
 圧倒的な力はあるものの、実尋市から出て力を行使することができない天秤の会の手の届く範囲は狭い。ゆえにその恩恵を得られるものも少ない。何より、人ならざるものたちは本質的に人を考慮の外においているため、天秤の会が助ける対象となりえる存在は、実は人ならざるものの世界では異端とも呼べるのだ。

 そんな隙間にいたために傷つくことしか出来なかった少女の果乃は、名塚天人と出会うことで人付き合いの真理に到達する。




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