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サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ(浅葉なつ)

サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ (メディアワークス文庫 あ 5-3)サクラの音がきこえる―あるピアニストが遺した、パルティータ第二番ニ短調シャコンヌ (メディアワークス文庫 あ 5-3)
(2012/05/25)
浅葉 なつ

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縛る音、傷つける音、結ぶ音

 加賀智也は、子どもの頃、当時は売れないピアニストだった父の西崎賢吾から絶対音感を身につけるための厳しい訓練をさせられ、大人になった今でも440Hzの音が識別できる。しかし、その厳しい訓練の成果はそれだけだ。
 ピアノを捨て、家を出て母の咲枝の旧姓を名乗り、それでも今もなお、シャコンヌの演奏家として伝説となった西崎賢吾の呪縛に、彼の死後も捕らわれている。

 そんな彼が生業のよろず屋の仕事で小学生の尚平の世話をしていたところ、チンピラ風の若者の英治に因縁をつけられる。彼の聴いていた音楽と、尚平の吹いていた音のずれたリコーダーが不協和音を起こし、気持ちが悪かったらしい。その縁で、人妻に手を出して追われ、行き場をなくしていた英治を智也は居候させることになってしまった。
 見かけとは違って真面目な英治を、常連の三線の師匠サワ子や、ガムランの生演奏があるインドネシア料理店オーナーのハムサも気に入り、順調に仕事をこなしていたところ、英治が女子高生の雨宮奏恵を拾ってきた。

 超有名な有瀬音楽学校高等部主席入学だという雨宮奏恵は、最近、講師から演奏に心が込められていないと指摘され、スランプに陥っているという。ラベリング可能な絶対音感の持ち主である奏恵には、どんな音楽も音符の連なりでしかなく、これまで一度も音楽で感動したことがないらしい。そんな彼女に講師が参考資料として渡したのが、西崎賢吾の最後のシャコンヌ演奏の生音源だったのだ。
 自分が西崎賢吾の息子であると言うことを隠したまま、彼女の依頼に応えるべく、様々な音楽を聴かせに連れ歩く智也だったが、その嘘も、西崎賢吾のマネージャーであった由果が智也を訪ねてきたことで、壊れてしまうのだった。

 音楽を押しつけられたために音楽を、そしてそれをなした父親を嫌い、音楽とは別の道に進んだ青年と、同じように音楽を子どもの頃から親しみ神童と呼ばれた少女が突き当たった壁。そして、良すぎる耳を持つがゆえに社会をドロップアウトせざるを得なかった青年が出会い、音楽に巣くわれるまでを描いている。
 奏恵のキャラ像がもっと確かなものとして確立していたら、もっと魅力的な作品になっていたかも知れない。女子が空回りというのは、鈍感系ラブコメでもなければ許されない気がする。




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2012-05-27 02:01 │ from まとめwoネタ速neo

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