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ミニッツ 一分間の絶対時間(乙野四方字)

ミニッツ―一分間の絶対時間 (電撃文庫)ミニッツ―一分間の絶対時間 (電撃文庫)
(2012/04/10)
乙野 四方字

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盛りだくさんに、かつ絞り込んで

 私立穂尾付学園高校の一年生である相上櫻は、とある野望を胸に抱いている。その手始めは、一年生で生徒会長になることだ。そのために、この学園特有の生徒ポイントを集めることに余念がない。
 たとえ優秀であったとしても、他人から嫌味に見えたり、敬遠される人格では意味がない。相手に与える印象まで考慮し自分の行動を操作する彼の行動指針には、ひとつの裏付けがあった。それが「ミニッツ」。一分間だけ相手の心を読める能力である。

 しかしこの能力には反動がある。その後遺症を、彼と同じ様な人格を持つと見受けられる生徒会副会長の琴宮遥に見られてしまい、それに対抗する弱みを握るため、不登校の彼女の妹である琴宮彼方に近づこうとするのだが、それを悟った琴宮遥と、あるゲームで勝負することになる。
 そのゲームの名は「馬鹿と天才ゲーム」だ。馬鹿役は相手の言うことを理解してはならず、天才役は必ず相手の言うことを理解しなければならないという、言葉による戦い。その戦いの先に、遥に心酔する岸良夏凪の恨みを買い、色っぽい先輩の相ヶ瀬茉莉に能力の秘密を悟られ、半同居する波名城夕楓と娘の波名城アザミ、そして父親の相上豊が櫻にかけた呪いの存在が彼の新たな人間関係を生みだすということを、櫻は思いもよらないだろう。

 登場人物は大概腹に一物抱えていて一筋縄ではいかない。アザミの親衛隊というロリコン性を除けば、御幸院彦星という人物が唯一素直なキャラと言えるだろう。
 ここまで見ても分かる様に、まずは心理バトルから物語は始まり、主人公が慮外に置いていた人々の感情が新たな局面を導き、その果てに腹の中を全部吐き出してしまうことで、ハーレム系ラブコメ展開になるという盛りだくさんさだ。

 だがこの作品の美点は、様々に要素を盛り込んでも、一度に展開させるのはひとつのテーマだけとしているところだろう。鬼火憑きという能力のこと、アザミが抱えているように見える問題、茉莉の行動原理など、多くの謎が同時に提供されながら、今回取り扱うのは遥と彼方の問題だけに注力しているのだ。ゆえに物語が発散せず、物語として成立していると感じる。
 つまり伏線はたくさんあるので、次巻以降の展開には困らないとも言えよう。第18回電撃小説大賞選考委員奨励賞受賞作品。




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