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六花の勇者(山形石雄)

六花の勇者 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 1-11)六花の勇者 (集英社スーパーダッシュ文庫 や 1-11)
(2011/08/25)
山形 石雄

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料理の仕方が一風変わっている

 このシリーズ、もしこの巻で終わったら、ちょっとしたホラーになってしまうかも。

 千年前、人間は存亡の危機に瀕していた。大陸に突然現れた一体の魔物、魔神が数多くの凶魔を生み出し、永世帝国ロハネを滅亡させたのだ。そこに現れたのは、一輪の花を武器として戦う聖者だ。彼女は魔神大陸の端まで追い詰め打倒し、封印することに成功した。しかしいずれ魔神は復活する。その時には、一輪の聖者の力を受け継ぐ六人の勇者が運命の神により選ばれ、魔神と戦うことになる。そんな彼らは六花の勇者と称された。
 そんな勇者を選ぶ舞台となる神前武闘会に乱入したアドレット・マイアは、騎士たちが使わない様な秘密武器を使い、勝つためにはあらゆる手段を厭わない戦い方で勝利をおさめる。当然、乱入した罪で捕えられてしまうのだが、首尾よく六花の紋章を手に入れて解放され、同じ六花の紋章を持つピエナ王女、ナッシェタニア・ルーイ・ピエナ・アウグストラと共に、魔神の眠る魔哭領を目指す。

 しかし事態は思わぬ方向に向かう。アドレットが旅の途中で出会った六花の勇者のひとりフレミー・スピッドロウは、聖者を殺害した六花殺しだという。そして、ようやく集合した六花の勇者、チャモ・ロッソ、モーラ・チェスター、ハンス・ハンプティ、ゴルドフ・アウオーラも含め、彼らは魔物を封じるための結界に逆に閉じ込められてしまうことになった。しかも、六人しかいないはずの勇者が七人いる!
 誰が魔物の回し者である七人目か。互いに信じたり、疑ったりしながらも、事態は七人目が計画する通りに進み、アドレットがその命を狙われることになる。しかし彼は本物の六花の勇者、何とかそのピンチを切り抜けることが出来るのか?

 魔神を倒しに選ばれた勇者が向かうというよくある筋書きなのに、味付けはぜんぜん違う。クローズドサークルの中で犯人を見つけ出すという、ミステリー風味の作品になっている。犯人として疑われた立場から、少しずつ自分を信じて来る仲間を生み出し、本当の犯人を暴いていくのだ。
 だがもちろん、本来の筋である魔神退治もなくならない。今回の事件の背景にあるのはそれなのだから。そこに、魔物と人間のハーフやら、異端の思想やら、天才を凡人が努力で越えるやら、様々な視点を加えつつ盛り上げていく。

 そして謎が解き明かされた最後に投下される爆弾は、本当にホラーの趣がある。ロロニア・マンチェッタとは何者か?



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